2月19日から、近畿大学とわたし漢方が新型コロナウイルス感染症軽症患者に対する「栄養調査」を実施

1. 本件のポイント

• 新型コロナウイルス感染症軽症患者及び回復者・非感染者に対しLINEを活用した「栄養調査」を実施
• 調査対象者の食事摂取などから栄養学的考察を行い、感染症予防を目的とした栄養プログラムの開発を目指す
• 日常生活と隔離された宿泊・自宅療養をする感染者も非接触で漢方相談ができ、症状にあった漢方薬を手にすることが可能

2. 本件の内容
新型コロナウイルス感染症においては、東アジアでの重症化率が欧米諸国に比べ低いことがわかっていますが、その原因や詳細は明らかになっていません。この度、同意を得られた新型コロナウイルス感染症軽症患者及び回復者・非感染者への「栄養調査」を実施し、生活習慣や食文化の違いなどが感染に影響している可能性を考慮に入れ、栄養学の観点から感染予防となる栄養プログラム等の開発を目指します。

わたし漢方株式会社はこれまでも、コミュニケーションアプリ「LINE」で症状を聴取し、体質にあった漢方薬を配送するオンライン漢方薬局サービスを提供しており、そのシステムを利用して、本調査に使用するプログラムを構築しました。そのプログラムを利用して、近畿大学東洋医学研究所は新型コロナウイルス感染症の軽症患者及び回復者・非感染者に非接触で栄養調査を実施します。調査に参加した対象者で希望があった場合は、わたし漢方株式会社が、一人ひとりの症状や不調に合わせた漢方相談や漢方薬の配送を行います。

現在、新型コロナウイルス感染症における軽症患者の場合、宿泊・自宅療養が必要となります。軽症とはいえ、咳・咽頭痛などの症状に苦しむことや、重症化への心配や家庭内感染の不安から、大きなストレス状態にあることが想定されます。漢方薬の新型コロナウイルスへの効果に関しては、直接の効用は不明で、他施設で臨床研究などが行われているところですが、もともと漢方薬には感冒様症状の改善やストレス・不安症状の解消には効果が認められています。オンライン漢方薬局相談の利用により、症状にあった漢方薬を非接触で入手し服用することが可能になります。

3．研究概要

研究名：新型コロナウイルス感染症療養患者における栄養学的特性調査研究
実施期間：令和３年（2021年）2月19日～令和４年（2022年）3月31日
対象者：200名（新型コロナウイルス感染症軽症患者及び回復者100名、非感染者100名）
Webサイト：https://www.watashikampo.com/b/kindaicovid-19/
調査方法：上記Webサイトにて募集

4．今回の取り組みに関するコメント

主任研究者：近畿大学東洋医学研究所　所長・教授　武田　卓

人類の歴史は感染症との絶え間ない戦いともいえます。古代中国を起源とする東洋医学は、そのような歴史の中での経験則に基づくものです。さらに東洋医学は、漢方治療だけでなく、薬膳に代表される食養生といった食事指導も含めた総合的な治療法です。そもそも生薬は食品として使用されるものも多く、今回の研究で検討する栄養面からのアプローチは、新たな予防法開発の糸口となりえると考えます。

オンライン漢方相談システム：わたし漢方　代表取締役社長　丸山　優菜

昨年は新型コロナウイルスの影響で、健康により気をつけようという意識が高まった方も多かったのではないでしょうか。『わたし漢方』のお客様の中にも長い自粛期間の影響か、不安や疲れをご相談にいらっしゃる方も増えておりました。今回の栄養調査が予防法開発への一手となることを期待しております。

5. わたし漢方株式会社 会社概要 

LINEで身体の悩みを薬剤師に相談すると、自分にあった漢方薬を自宅に配送してくれるオンライン漢方相談サービスを展開。カウンセリングはすべてLINE上で行い、最初の問診は24時間相談可能ですべて無料です。漢方の専門家が直接お悩みにお答えします。

所在地：東京都渋谷区2-4-9　第二本間ビル３階
代表者：代表取締役社長　丸山 優菜
事業内容：LINEによる女性の体の悩み無料相談、漢方薬の販売と配送
設立：平成29年（2017年）5月29日
資本金：100万円
URL：https://www.watashikampo.com/

6.  “オール近大”新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト
近畿大学は、令和2年（2020年）5月15日から「”オール近大”新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」を始動させました。これは、世界で猛威をふるう新型コロナウイルス感染症について、医学から芸術までの研究分野を網羅する総合大学と附属学校等の力を結集し、全教職員から関連研究や支援活動の企画提案を募って実施する全学横断プロジェクトです。72件の企画提案が採択され、約１億３千万円の研究費をかけて実施しています。